作品
空回る熱
男なんてものは単純な生き物だ。
感情の快楽でも身体は反応を返すが、物理的な快楽でも反応する。
心がそれに伴わなくても、だ。
――こうしてるのは、あんただからだ。……代わりにするわけじゃない。
初めて玄冬を抱いた時に、あいつはそう言った。
その言葉自体は真実だろう。
代わりを求めてはいない、と。
だが。
俺が持っているお前への感情と、お前が持っている俺への感情は等しいだろうか?
バランスが取れているだろうか?
俺が一人で空回りはしていないかと、お前の口から黒の鳥の名が出るたびについ思う。
この熱は空回りしてはいないだろうか。
身体で交わす熱だけでなく、感情で交わす熱を確かめる術があったなら。
こんな女々しい感情に囚われずに済んだだろうか。
2005/05/09 up
元は拍手レス&short storyブログでやっていたお題。
Kfir(閉鎖) が配布されていた「ヘタレ攻めで5題」、No1より。
銀朱独白。
黒玄前提銀玄でこのお題を選択したあたり、私が隊長に持っているイメージがわかろうというものですw
- 2008/02/01 (金) 00:04
- 番外編