作品
他の誰かに取られるくらいなら…(黒玄前提救こく、ある意味黒玄前提花玄)
あれは誰の記憶?
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「取られたくなんてなかったよ」
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力なく閉ざされていく青の瞳を見ていたのは何時だった?
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「こうするのは僕にしか出来ないからね」
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複雑な想いを秘めた黄金の目が、鋭い視線を投げかけたのを覚えている。
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「……また次の君も僕にやさしいといいな」
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「……泣かないで」
誰が? 俺が? 頬を伝う熱い雫は一体何?
「いい。これで……いいから」
小さい身体が崩れ落ちる。
紅い、紅い、紅い。
そこら辺が紅い。
紅くて綺麗。
「また、君は……」
奪うのか、と紅く染まった子どもを抱えた男の唇が動く。
「……だって、俺にしか出来ない」
「……」
「アンタに取られるくらいなら……殺す方がいい」
自分の口元が緩むのが解った。
これで玄冬は……。
「『僕』のものだよ。……お前なんかに渡さない」
玄冬を殺せるのは『僕』だけだから。
ねぇ、玄冬。
そしてそれは君の望みでもある。
……そうだよね?
2005or2006/?/? up
花々(閉鎖) が配布されていた「気狂い10題」、No6より。
花白の記憶持ちな救世主であえて約束EDから。
- 2013/10/02 (水) 01:01
- 黒玄前提他カプ
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