作品
熱帯夜
「う…………あつ……い?」
群はかなり涼しい気候の土地だから機会は少ないが、それでも稀に寝苦しい夜はやってくる。
今夜は確かに暑くなりそうだとは思ってはいた。
が。予想以上に暑いとおぼろげな頭で思い、ふと隣を見るとその理由が明らかになった。
いつの間にか黒鷹がベッドに入り込んでいる。
いつもの如く、腕と足を俺に絡めながら。
こいつは暑さを感じてないんだろうか。
基本的に寒がりなのは知っているけど、
こんな暑い夜にまでくっつきにくるなんて。
まさかと思いながらも、もう一度暑いと呟くと、目の前の黄金の瞳がはっきりと開いた。
「……暑いね」
「そう思うなら、離れたらどうだ」
なんとなく、予想はついていたが黒鷹は起きていた。
「今日は、暑い。暑くて眠れやしない。そこでだ。
どうせ眠れないのだったら、暑さが気にならないくらいに疲れ果てて眠るのはどうかと思ってだね」
「……俺は一応ついさっきまで眠っていたんだが」
そう答えながらも、笑って近づいてきた唇に目を閉じた。
「起こした責任はとれよ」
「無論、始めからそのつもりさ」
2005/09/? up
元は一日一黒玄で書いたもの。
China Love(閉鎖?)で配布されていた、
「微エロ妄想さんに25のお題」、No3より。
- 2013/10/03 (木) 19:02
- 黒玄