作品
拘束
――世界が続いて俺が生まれる限り、俺を殺し続けてくれ。
あの言葉は鎖。約束は拘束。
私は君から離れられなくなった。永遠に。
「黒……た……か……っ…………黒た……!」
――言っている意味は解るだろう。……お前にしか頼めないんだ。
まるで鳥篭に閉じ込められた鳥だ、私は。
「玄冬…………私……のっ……」
――お前が育ててくれるなら。……愛してくれるなら。
狡いね、君は。
そんなところばっかり私に似るなんて。
「あ…………あああっ!」
――…………悪くない。死ぬのは怖くない。だって、俺はまたお前に逢える。
逢えるさ、逢えるとも。
例え君が覚えていなくても、私は覚えている。
「……っ」
――有り難う。
礼なんて、いらないのにね。
だって、私も望んでいたのだから。
誰にも邪魔されず、ただ二人の絆を確信できる、この今を。
ねぇ、愛しい子。
君は望んだ。私も望んだ。
ずっと離れないよ。
君の全ては私のもので、私の全ては君のもの。
だから、この鳥篭の中でただ歌うよ。
君だけを想う歌を。ねぇ、玄冬。
2005/09/? up
元は一日一黒玄で書いたもの。
China Love(閉鎖?)で配布されていた、
「微エロ妄想さんに25のお題」、No5より。
- 2013/10/03 (木) 19:04
- 黒玄