作品
強制
――おいで。
――……しよう?
――抱いてもいいかい?
黒鷹が誘う時は決して無理矢理じゃない。
――気分が乗らなければ、それを正直に言ってくれればいい。
セックスはコミュニケーションなのだから。
どちらかがその気でないときに、無理矢理やったって意味が無い。
そう最初にも言ってくれてるのに。
強制されてるわけではないのに、誘われると拒もうという気はなくなる。
たまに一晩に幾度も繰り返される時は身が持たない、ということはあるけれど、基本的には求められるのが嬉しい。
黒鷹が自分に触れたいと思ってくれてるのが嬉しくて、誘われたら自分でもそんな気分になってしまうからだ。
「普通は……」
「うん?」
「どのくらいの頻度……なんだろうな」
「…………セックスの、かい?」
「ん……」
「さぁね。人それぞれだろうさ。
普通、なんてあってないようなものじゃないかな。
二人で求めるペースがあっていれば問題はないだろうしね。
バランスが悪くなってしまうなら、それはよくないけど。
……君は? 今のままで大丈夫かい?」
「え……いや、その……」
「……問題ない、みたいだね」
額に落ちた口付けは派手に音を立てる。
「問題ないことを確認できたところで、しようか」
「……ああ」
強制されないのは、単に必要がないから、なんだな。
2005/09/? up
元は一日一黒玄で書いたもの。
China Love(閉鎖?)で配布されていた、
「微エロ妄想さんに25のお題」、No7より。
強制っていうなら、鬼畜路線じゃないのかと思いつつ、結局こんな流れw
- 2013/10/03 (木) 19:07
- 黒玄