作品
プレゼント
さて。
料理の用意は一通りできた。
せっかくの日に、くだらないことで言い合うことはしたくないから、野菜は極力減らしてみた。
俺もつくづく甘い。
プレゼントも準備は大丈夫だ。
……あいつはどんな顔をするだろうか?
***
さあ。
飾りつけは既に終わった。
玄冬の方はどうかな?
せっかくの日に怒らせたくはないから野菜も多少は我慢して食べよう。きっと減らしてくれてるだろうしね。
今年のプレゼントも準備は出来ている。
……あの子はどんな顔をしてくれるだろう?
***
「お前に渡すものがある」
「奇遇だね。私も君に渡すものがあるよ」
「……一緒に開けてみるか?」
「そうしようじゃないか。じゃあ……」
「せーのっ……」
同じタイミングで開けられた二つの箱。
二人で覗き込んで、お互い顔を見合わせて笑う。
「……まいったなぁ。そうくるとは思わなかったよ」
「お前こそ。……予想外だった」
「君のそういう顔が見たかった」
「ああ、俺もだ。……なぁ。なんでこれにしようと思った?」
「さあね。君を考えていたらなんとなく。
君こそ、どうしてこれにしようと?」
「同じだな。お前を考えていたら、なんとなく」
「……嬉しいね」
こういうとこでも、繋がっている、と思えることが。
「ああ。……嬉しいな」
プレゼントをくれたことよりも、自分を考えて選んでくれたというのがわかる、その事が。
「抱きしめてもいいかい?」
そんなことを実感すると、たまらなく触れたくなるから。
「問うまでもないだろう?」
温かくなれる気分に身を任せて、ただ共にありたいと思う。
***
贈り物は、魔法のアイテム。
愛しい相手がもっと愛しくなる。
大事な貴方に心をこめて。
Present for You!!
2004/12/24 up ※サイト正式UPは2005/01/30
「惑楽」(お題配布終了)で配布されていた
「萌えフレーズ100題」よりNo77。
最早、色々な意味でこっ恥ずかしい、クリスマス更新話w
プレゼント内容は各自お好きに考えて下さい。
- 2013/10/07 (月) 02:35
- 黒玄