作品
Chiave
それは、まるで鍵のようだと思うよ。
二つ揃って初めて意味を成す、一対の欠かせないものだとね。
玄冬が心地よく私を包み込む。
時に熱く。時に優しく。また時には貪欲に求めて纏わり付く。
こんなに自分と馴染むものを私は他に知らない。
***
それは、まるで鍵みたいだと思う。
一対になっていて、欠かせない鍵と錠。
黒鷹がじわりと俺の中に浸透していく。
時に熱く。時に激しく。また時には労わりながらも、余すことなく感じようと隅々まで。
ただ自然に馴染んでいると思う。痛みも衝動も全てが。
***
だから今日も。一対のそれで開いていく。
心を開いて、身体を開いて、二人で悦楽を紡ぐ。
揃えられた鍵と錠。求め合わずにはいられないから。
2004/12/13 up
U様からの権利発動リクでKeyというのを書きましたが、『鍵』の深読みバージョンになります。あんまりエロ描写ないので表でもいいかと思いつつ、一応こっちに。
視点は両方で、短文形式。
- 2008/01/01 (火) 00:03
- 黒玄