作品
甘い
「…………っ……ん」
肌の上を滑っていく黒鷹の舌は何度繰り返しても、よく覚えていられるなというほどに的確に弱い部分を攻め立てる。
いや、繰り返すからこそ覚えているのか。
その癖、飽きることもない。
どうやったらそんな器用にことを運べるのやら。
確認するには羞恥心が邪魔をする。
「……っあ……!」
とっくに熱を帯びて固くなっていた中心が舌に包まれて、思わず悲鳴を上げたら、笑った気配に続いて水音がした。
無闇に楽しませてる反応になっているのが解っても、どう対処していいのやら、悦楽に霞んだ頭では上手く考えられない。
「……甘い」
不意に小さな呟きが微かに聞こえた。
「な……にが……」
「君が私に口でしてくれるときに思ったことはないかい?
ここはたまに蜂蜜の匂いがする。
味も塩気があるようで甘いような。
それに君の肌は不思議なことにどこを舐めても少し甘い味がするからね、相まってお菓子でも食べているような気分だ」
「馬鹿な……こと言…………な……っ…………あ!」
くびれた部分を唇で扱かれて。
一気に頂に近い部分まで引き摺り上げられる。
「達してかまわないよ? 口で受けてあげるから。零さないように、ね」
違う。
甘いのは俺の肌じゃない。
その低い囁き、だ。
2005/07/29 up
昔、ここで配布していた「玄冬好きさんへの10のお題」からNo3。玄冬視点。
お題作成時点でこのタイトルはエロ想定だったとは大声では言えませんw
- 2013/09/09 (月) 21:56
- 黒玄