作品
どこにキスして欲しい?
「っ……や、……黒た……!」
「……嫌なんかじゃ無い癖に」
「っあ!」
足を抱えられ、より深くに黒鷹を感じ、弱いところを突かれて、声が上がる。
挿入されて、さほど経たないうちに、与えられた刺激は強すぎて、対処できない。
「ほら。嫌ではないだろう?」
「ん……! もっ……と、ゆっくり……!」
言われるとおり、嫌だというのではない。
でも、早い展開の所為なのか、何かが物足りない。
「……じっくり触れたい?」
「……あ」
黒鷹の指が唇を辿って、気がついた。
キス、してないんだ、まだ。
行為を始めてからずっと。
気がついたらたまらなく欲しくなる。
手を伸ばして、黒鷹の頭を掴む。
「どうしたね?」
「キス……したい」
「いいよ、どこに?」
唇に当てた指を離すことなくそんな風に呟く。
わかっているくせに。
「……唇」
「ふふ」
退けられた指に代わって、柔らかい感触が重ねられる。
それが凄く心地いい。
「ばれていたかい?」
「……うん?」
「言わせたかったんだよ」
たまには求めて欲しかったからね、と笑っていった黒鷹に、やっぱり笑って応じた。
「……わかっていた」
だから、言ったんだ。
お前を求める、お前が望んでいた言葉を。
2005/04/04 up
一日一黒玄でやっていたものから。
恋をした2人のためのお題 -10 for lovers-(閉鎖)が配布されていたnoir 4より。
あんまり描写してないけど、一応裏扱い。
- 2013/09/25 (水) 00:29
- 黒玄