作品
粘着質な水音
セックスの際に潤滑剤を使ったほうがいいのは解っている。
受け入れる玄冬の負担が少なくなるのくらい、解らないわけじゃない。
だが、それがどこかで嫌だと思っている。
自分たちの交わりに別のものが入り込む気がしてしまうのだ。
邪魔をされているような、ね。
何を無機物相手にと自分でも思うよ。
だけど。
唾液で繋がる場所を濡らし、舌で慣らし。
その状態で君が私を受け入れてくれることに喜びを感じている。
そうして、一度達した後には精液が潤滑剤の役割を果たし、動く都度に淫らな水音を立てるのが、どうしようもないほどに満たされた気分になる。
潤滑剤を使うのとはまた違う水音。
その音に顔を紅潮させながらも、君も興奮してくれるのを知っている。
……同じだと思っていいね?
***
音だけでも興奮を掻き立てる粘着質な水音。
深い繋がりを表す音。
私はあれを聞きたくて、時折、動けなくなるほどに君を抱いているのかも知れないね。
2005/01/31 up
元は一日一黒玄で書いていたもの。
恋愛に関するいくつかのお題が配布されている、「アダルトなお題」からNo20。
- 2013/09/27 (金) 18:52
- 黒玄