作品
My Dear
居間で寝かしつけたちびくろを抱いて部屋に戻ると、ベッドには玄冬とちびたかが二人揃って眠っていた。
どうやら寝かしつけるつもりで一緒に眠ってしまったらしい。
疲れていたかな。
つい、昨夜は激しく求めてしまっていたしね。
私もちびくろを寝かしつけるときに少し眠気に襲われたくらいだ。
一緒に横になったのでは、無理もないことだろう。
ちびくろをちびたかの横に寝かせようとして、ちびたかの手足が玄冬の腕に巻きつけられているのに気がついた。
まるで、自分のものだと言わんばかりに。
……やれやれ。
「独占欲の強いところまで私に似ているのかい、君は」
玄冬は渡せないけどね。
まぁ、寝てるときくらい譲ってあげようじゃないか。
小声で呟くと、玄冬が身じろぎをして薄っすらと目を開ける。
「……ん。く……ろ鷹……?」
「……と、すまない。起こしたかな。
まだもう少し寝ていなさい、眠いだろう?」
「ん……」
ちびくろを寝かせ、そのまま玄冬の髪をそっと撫でると、玄冬がまた目を閉じて、間もなく小さな寝息を立て始めた。
寝顔は子どもの時と変わらない。
手を退いて、そっと額に口付けを落とした。
玄冬の次は、隣のちびたか、ちびくろに。
子どもの寝顔ほど可愛いものはないね。
天使のようだとはよく言ったものだよ。
これに勝るものなんてない。
「……おやすみ」
愛しい私の子どもたち。
どうか良い夢が見られますように。
2005/03/29 up
- 2008/01/01 (火) 00:05
- 年齢制限無