作品
痴話喧嘩
「さて、今日も美味しかったよ。ごちそうさま」
「まて。お前はまた野菜を残して!」
「いや、だから言ってるじゃないか。私は猛禽類だから……」
「何度も聞いた。だが、俺も言ってあるな?
人型で生活している以上は偏らずに食え、と。
まして、今はちびたちだっているんだぞ。こいつらの教育上良くない」
「まだ、二人ともミルクしか飲まないじゃないか」
「だからこそ、今のうちに食って慣れておけ。
ちびたちが大きくなって、偏食をしたらどうする」
「いや、ほら。君だって私が育ててきたけど、
偏食もせずに育ってくれたわけで」
「お前な! いい加減に……」
「ちょ……待った、玄冬! 声を荒げるのはよしなさい! ほら」
「聞いてられ…………あ……」
黒鷹が視線をやった方を見ると、ちび二人がじっと俺たちの様子を見ていた。
今にも泣きそうな顔をして。
「ああ、よしよし。大丈夫だよ。
パパとママは仲良しだからねー、ほら泣かない、泣かない」
「っ! パパ、ママはよせと言っただろう」
「ねぇ、君たちも私たちが険悪になってるよりは、まだ野菜を残すくらいの方がいいよねぇ」
「ちびたちを盾にするな! この卑怯者!」
***
こうして日々、解決の兆しの見られない痴話喧嘩が繰り返されたとか(笑)
2005/04/29 up
一日一黒玄でやった創作者さんに50未満のお題で配布されている
「甘々10のお題」、No5でした。
結局、ちびたちの嗜好は親に酷似しているので、玄冬の努力の甲斐も虚しく、黒鷹&ちびたかの野菜嫌いの肉好きタッグが出来上がってしまうのでしたw
- 2008/01/01 (火) 00:08
- 年齢制限無