作品
Black~大人二人のクリスマス
「ん……あ……黒た……」
「うん?」
繋げた場所の脈動が心地良い。
できるだけ長く感じていたくて、玄冬の中に挿れてからほとんど動いてない。
そろそろ物足りなくなったかな。
「……動くかい?」
「あ、いやそうじゃない。まだこのままでいい。そうじゃ、なくて」
「ん? ……ああ、そうか」
伸ばされた腕に身を預けて、玄冬の身体の上にそのまま覆いかぶさる。
触れ合う肌に玄冬が顔を綻ばせた。
この子は元々抱いてるときに抱きしめることを好むけど、ちびたちと一緒に住むようになってから、その傾向がより強くなった気がする。
甘えてくれているのだろう。
多分、本人も気がついてないだろうけど。
そんなところだって可愛いし、意識されてもつまらないから、言うことはしないけれども。
言葉にしない代わりに、間近にある顔のあちこちに口付けを落とす。
機嫌が悪いと照れて制止の入る行為だけど、今日はくすぐったそうに笑うだけ。
「……時々、どうしようかと思うよ」
「……うん?」
意味を図りかねて戸惑う目。
「君が可愛すぎて、ね。どうしたものかと思う」
「可愛……お前な」
「うーん、本気で言ってるんだけどな」
「……知っているから、困るんだろうが」
困ると言いつつも、ちっとも困ってないような顔。
「ちびたちのことなんて、言えやしない」
「ほう?」
「言われて嬉しいと思ってしまうから。
……俺が一番親離れできていない」
「しなくていいさ」
もう一度、額にキスを落とす。
「そもそも私が子離れしてないのだからね」
子離れする気もないというのが正しいのかも知れない。
指を絡めて、目だけで動いてもいいかと問うと、
やっぱり言葉もなく、玄冬も応じて。
熱を感じようと動き始めた。
クリスマスの夜はまだ長い。
楽しみはこれから、だ。
2005/02/16 up
↑多分、簡単に絵日記等で書いてたものを改めて上げた日付だと思われます。
あまり季節ネタは外して書いてなかったはずなので。
- 2013/06/01 (土) 00:03
- 年齢制限有