作品
Party Night~one more night
「随分、お菓子たまったね!」
「うん、しばらくお茶の時間が楽しみだなぁ」
俺もたーも帽子に貰ったお菓子を入れている。
キャンディ、クッキー、ラムネ、パウンドケーキ、チョコレート……。
とにかく皆色々くれた。
さっきまで一緒にいた村の子達とも別れて、俺たちは二人で帰り道についている。
多分、くろたかとくろとが途中まで迎えに来てくれるだろうけど、どうせ家まで行く道はいつも一緒だから、行き違いもないはずだし。
「ね、うちに帰ったらお菓子一緒にして、二人とも同じのが食べられるようにはんぶんこしよ?」
「うん! その方がいいね!」
結構二人で違うお菓子を貰ってるから、そうしたら色んな味が楽しめる。
そういえば、一人っ子の子が兄弟がいるっていいなぁって羨ましがってたな。
うん、こういうとき二人でよかったって思う。
楽しみも2倍になるもの。
「ちびたか、ちびくろ」
「あ、くろと、くろたか!」
呼ばれて声のほうを向くとくろたかとくろとが俺たちの方に早足で駆け寄ってくるところだったから、俺たちもお菓子が入った帽子を落とさないように走る。
たーをくろたかが抱き上げたから、俺はそのままくろとのところに行った。
くろとも俺を抱き上げてくれる。
「ただいまー!」
「お帰り。お菓子は沢山貰えたかい?」
「うん! ほら、見てこんなに!」
「そうか、良かったな」
くろとが背中をぽんぽんって叩いてくれたら、ふわって甘い香りがした。
「あれ? くろと、何か甘い匂いがするよ?」
「ん? 甘い匂い…………あ……いや、気のせいだろう。
お前がお菓子を沢山持ってるからじゃないのか?」
「そうなのかな? ……うーん、まぁいいや」
帽子の中をもう一回覗くと、くろとが沢山貰えて良かったなって言ってくれる。
「昔、くろともやったんでしょ? 楽しいね、ハロウィン!」
「ああ。そうだな、楽しいな」
「ね、後でくろとにもくろたかにもお菓子あげるね」
「俺たちのことは気にしなくていい。だけど……そうだな。
もし数が中途半端だったりしたら、くれるか?」
「うん! ね、帰ったらお茶淹れて? お砂糖なしのダージリンがいい!」
「わかった。でもお菓子はほどほどにしろよ。虫歯になるからな」
「はーい」
また来年もこんな風にできたらいいな。ね、たー。
2005/10/31 up
黒玄メールマガジン(携帯版)第15回&第16回合併号配信分その2。
ちびくろ視点。Party Nightと微妙にリンク。
- 2008/01/01 (火) 00:28
- 年齢制限無