作品
ぎゅうってして。
「大丈夫かい? ちびくろ」
「ん…………」
弱々しい声で返事を返したちびくろの額に触れる。
まだ熱が高い。
きっとこうやって座ってるのも辛いだろう。
肩を引き寄せて、寄りかからせるようにしてやった。
「ちゃんと薬を飲んで寝ないといけないね。
今、玄冬が薬を煎じてくれているから待ってなさい」
「ん……ね、くろたか」
「うん?」
「なんか寒いの……ぎゅうってして」
熱があるせいだろう。
寒気を感じるらしい。
腕を伸ばして、抱きしめた。
「ああ、こうかい?」
「ん…………温かい」
少し和らいだ表情に些かほっとした。
このくらいで安心できるなら、いくらでも抱きしめてあげよう。
だから、早くよくなりたまえよ。
2005/04/27 up
元は一日一黒玄でやっていたものから。
創作者さんに50未満のお題で配布されている「甘々10のお題」からNo8。
一日一黒玄は一応字数制限付きでやっていたのですが、長い話で改めてやりたかったものの一つ。
機会あれば、かな。
- 2013/09/14 (土) 11:36
- 年齢制限無