作品
参謀
間違った魔王の育て方、その1。
「いいかね、玄冬。
魔王たるもの、誰が見てもそうだと解るようでなければいけないよ」
「なるほど。ではどうすればいい?」
「そうだねぇ……」
***
「ママー、ねぇあれ……」
「しっ! 聞こえますよ。係わり合いになっちゃいけません!」
そこには『魔王』と書かれた紙を背中に貼られながらも平然と街中を歩いている玄冬の姿。
いっそ威風堂々たる風格さえ漂わせるのに、背中には『魔王』。
人々の不信感を煽る以外の何だというのか。
「うーん、素直だなぁ。こういうあたりがさすが玄冬」
でも、自分は鳥の姿で上空からその様子を眺めるだけで、傍にはいない卑怯者な鷹でありましたw
間違った魔王の育て方、その2。
「いいかね、玄冬。
魔王たるもの、人々に畏怖を与え、威厳を持って接しなければいけないよ」
「なるほど。ではどうすればいい?」
「そうだねぇ……」
***
「……不幸の影が見えるな。最近、身近な人を亡くしたろう」
「え……っ、よくおわかりに……!」
その会話の数十メートル先でこんな風景が繰り広げられていた。
「ねぇねぇ、この辺でよく当たる占い師がいるって聞いたんだけれども……」
「それならこの先さ。いやぁ、恐ろしいほどに当たるよ。
若いのに堂々とした風格の漂う人でね。
通称『魔王』という占い師なんだが」
……何か間違った方向に逸れたようですw
間違った魔王の育て方、その3。
「いいかね、玄冬。
魔王たるもの、人を蔑み、罵倒の言葉を浴びせなければ!」
「なるほど。ではどうすればいい?」
「そうだねぇ……」
***
「犬にも劣る畜生が。貴様は所詮俺の手の上で踊っているに過ぎない」
「ああ……お許しください、魔王様……!」
歓楽街の一角に目新しい看板が出来ていた。
その名も「SM倶楽部『魔王』」
「そこの若いお兄さん。実は責められたいタイプだね?
今ならサービスしておくよ。
見目麗しい、『魔王玄冬』が至福の言葉攻めの数々を!」
しかし、絶対に客に玄冬は触らせない鷹でありましたとさw
***
上に立つものはくれぐれも参謀役の選択にはご注意を。(笑)
2005/07/30 up
昔、ここで配布していた「黒鷹好きさんへの10のお題」からNo3。
アホ話注意報。(ここで書いても)
しかしSMチック女王様受魔王玄冬はやってみたいような。
(もうそれ玄冬じゃなくなりそうだよ!)
こんな魔王と参謀は嫌だなぁという例w
描けたら4コママンガにしたかったかも(笑)
- 2013/10/11 (金) 02:21
- 黒玄
タグ:[黒玄][黒鷹][玄冬][魔王玄冬][日常ほのぼ……の(?)][黒鷹好きさんへの10のお題]