作品
羞恥心
※時間軸は第03話後半手前になります。
「明日……か」
湯船に浸かりながら、思いを馳せる。
明日。
今の俺の15回目の誕生日。
遥か昔の記憶を取り戻して、随分経つが、15歳というのは忘れられない年齢だ。
昔、黒鷹に最初に抱かれたのも15歳の時だった。
――何もかもを捧げられる、たった一人の相手との
至高のコミュニケーションでもある。
セックスというのはそういうものだよ。
そうして、キスされて、触れられて、抱かれて……。
黒鷹の手の感触を今でも覚えている。
幾度も交わした熱の温度も。
身体はともかく、精神的には初めてなんかじゃない。
……わかっているのに。
膨らんだ胸、昔よりも力の入らない身体、月の障り。
身体が女になっている所為で、性別の違いを感じてしまうからか、どうにも羞恥心が拭えない。
きっとそろそろ触れたいと黒鷹は言い出すだろう。
俺だって触れたい。
ただ、本当に初めて肌を合わせたときのように緊張している。
曝け出すのが恥ずかしい。
「あいつは……どうなんだろうな」
こんな風に思ったりはしないんだろうか。
2005/09/25 up
一日一黒玄でやったChina Love(閉鎖?)で配布されていた、
「微エロ妄想さんに25のお題」、No22より。
- 2008/01/01 (火) 00:25
- 第一部:番外編
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